さっぴょんさんからの質問
昨年、1度カウンセリングを受け、近所で行動練習をしています。しかし、新しい年が明け、筑波の方に初詣をしようと向かっていました。
途中、混んでいて渋滞していた時に、発作に襲われました。実況中継や、不安の居場所を作ろうとしていたのですが、大便が漏れそうになり、もうおかしくなる!とピークになり、車の中で「怖いー!」と叫びました。
主人に「どうなるのが怖いの?何が怖いの?漏らしてみたら?」と聞かれました。その時、「自分が自分じゃなくなるのが怖いの」と初めて自分が、漏らすことへの恐怖、漏らした後の自分が自分じゃなくなるんじゃないかということが怖いのだと言語化しました。
そのあとも、予期不安や、体の不快な症状が続き、ケーブルカーには乗れる状況では、なかったのでケーブルカーには乗らず、帰ってきましたが、帰りの車でも発作が起きて、てんやわんやでした。
漏らしてしまうかもしれないという恐怖や、漏れた後、自分が自分がじゃなくなるんじゃないかという恐怖に押しつぶされてしまいそうになりました。
家族がいても発作は起きるし、ましてや1人での外出が更に怖くなりました。どうすれば良いのでしょうか。こんな私でも回復するのでしょうか。不安で不安で溜まりません。
回答
回復への過程で、このようなイベント事は年間通して、誰もが遭遇します。そして時に、それは大きなパニック発作症状に結び付くこともあります。
そのような体験は、漠然と今後の不安を大きくし、その体験を通して臆病になり、今後大きな行動を控えてしまう傾向にあります。
あなたのように、今まで学んできた事を実践する場だと意識しながらも、予想以上のパニック発作症状に頭は真っ白、実況中継どころではなくなり、恐怖に包まれてしまう人は、私を含め皆、そんな時期を体験します。
こんな時にやってはいけないことは、「原因探し」です。原因はありません。あなたにとって妥当な原因はきっと、「遠出、渋滞、人混み…」だったりするでしょう。原因というより、外出する前から、それらに不安を抱えての外出だったのでしょう。
だからこそ、起きたとも言えるのですが、これらを原因と受け取ってしまうと、今度は遠出、渋滞、人混みを避ける間違いを、再度犯すことになります。
事は起きたのです。
遠出して、渋滞にハマり、人混みの多さという時間に、その出来事を体験したのです。
いいですか、あなたはただその「出来事を体験しただけ」と受け取るに留めてください。
もしあなたが、今日の事を生かしたいのならば、それら原因と思っていた事を避けるのではなく、それらをまた体験した時に、今回よりベターに対応するにはどうしたらいいのかに焦点を当てましょう。
あなたは今回、大きな気付きを1つ得ましたよ。
「漏らすことへの恐怖」が、「自分が、自分じゃなくなるんじゃないか」という恐怖へと繋がっているということ。
質問です。
◉「自分が、自分じゃなくなる」ということは、あなたにとって、どんな事を意味するのでしょうか。
◉なぜ、それほどまでに、そこに自分を縛っておかなくてはならなくなっているのでしょうか。
◉そうなってしまった自分の姿を、あなたはどう思っているのでしょうか?
◉その思いは、はたして本当なのでしょうか。
あなたの生活上、生きていく上で必要な処世術なのでしょうか?
◉もし、同じような悩みを抱えている大切な友人が、あなたにその辛さを訴えてきたら、あなたはどんなアドバイスを与えますか?
今でも、あなたは昨日のことをアレコレと考え、行く末を今まで以上に不安に感じ、そしてとらわれているかもしれません。
この気持ちをコントロールしたい気持ちもあるでしょう。
しかし今のこの状態と戦うことは良くありません。
こんな時こそ、「浮かんで通り、時間の経つのに任せる」ことが何より大切なのは言うまでもありません。
はやく心落ち着かせたいと思うのは、仕方がないことですが、ここはそんな不快感を受け容れ、浮かんで通り、時間の経過に任せてみましょう。
少し経てば、また落ち着きを取り戻す日々がやってきますよ。しかし、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」であってはいけません。今回の体験を生かすためにも、またカウンセリングを受けてみてください。
カウンセリングは知って、学んで終わりではありません。回復していく過程で体験する、さまざまな出来事に、それら学習したことをどのように生かすのか、お互いがお話を通して、理解の質を高めていくことにあります。