Q3:ホルモンバランスは、パニック発作に関係する!?

mayさんからの質問


ここひと月ほどで何度か質問させて頂いています。しっかり治すためにも一度カウンセリングをお願いしようかと考えています。まだ分かっていない事が多く再発するのかな…と最近感じ始めています。

 
2度目の再発、半年かけて上ってきたのですが、年末から神経過敏が酷く、ちょっとしたことや予期不安で動悸がとまらず、苦手な場所での症状も頻繁に起きるようになってきました。
 
怖くなかった場所まで強迫的に不安を探し出し症状になる始末。脳が悪い条件付けをしているように感じます。半年前と変わらぬ状態。「いまはそんなとき」と考え前に進もうと思うのですが、辛い。まだ戦ってますか?
 
日記をつけていてふと気づいたのが、いつも生理前後で調子を崩すようです。今回は症状が酷くて抑うつ状態でした。神経過敏はホルモンバランスが影響するということはありますか?毎度これにやられています。
 
また、主人からは、「そういう時は一時的に1週間ほど薬を使って付き合って行くスタンスの方が長くやって行けるのではないか?」と言われています。
 
頑張って治そうと思いすぎだと。治らない、付き合うんだと。「一度は克服出来たのに…、治し方分かっているはずなのに」という思いが強くしんどくなっているんでしょうか?
 
行動は続けており、今朝も買い物で辛くなりましたが実況中継して15分程で治ってきました。乗りこなし方を思い出して、普段の自分なら「その調子で頑張っていこう」と楽観的になるのに、最近はどれだけ◎がついても安心しません。
 
帰ってからも神経のこわばりが身体に残っており家の中でも症状が出てしまい、また悲観的に…。
完全に自信をなくしています。
 

回答


再発への怖れは誰もが持つものです。
正しい行動練習をして、結果も少しずつではあるけれど実感が湧いてきた…
 
ちょうどそんな時に起きる突発的なパニック発作症状は、はじめの頃の強い不快感と不安感にとらわれてしまいがちです。
 
たいていの人は、はじめの頃にやっていた回避行動や、パニック発作症状をコントロールしようとして戦ってしまいます。
 
しかし、それは無理もないこと。
私にもそれはありました。時に起きる思いもかけないパニック発作症状ほど、気持ちを動揺させるものはありません。
 
頭は真っ白になって、やるべき事を忘れ、本能に沿った行動をしてしまいます。とても理性的、冷静にはいられません。
 
今のあなたも、例外なくそのような状態にあり、無理もない事です。どうかご自分を責めませんように。
 
このような状態になると、当然のように自分の感じ方に敏感になり、監視状態になります。ちょっとした身体の違和感にも敏感になりますから、気持ちも動揺しやすく、とらわれが新たなとらわれを生み出すという悪循環に陥ります。
 
これは誰もが経験し、悩み苦しむことです。そして回復の過程で何度か訪れるのです。
 
この過程を怖れてしまう事は仕方がないにしても、こうした過程を経て、回復していくのがパニック障害という病気であることを理解しておく事は大切です。
 
回復の一歩手前まで、どんなに小さなとらわれや、パニック発作症状、予期不安ですら、戦うことなく、あるがままに受け容れ、浮かんでやり過ごし、時間の経過に任せることが大切です。
 
今のあなたは、私がこうしてお話していることは、十分承知かと思います。しかしだからこそ、こうした理解とは裏腹に、やってきた事が生かされていない事に、無力感を感じ、先をみては不安に包まれ、路頭に迷い込んだような気持ちなのかもしれません。
 
しかしパニック障害を治していくというのは、パニック発作症状や、予期不安を起こさないようにするというよりは、そうした事態が起きてなお、自分を見失わずにいられるような状態を作れることにあります。
 
パニック発作症状や、予期不安をコントロールするのではなく、自分のそれらに対する向き合い方をコントロールするスキルを身に付けていくことです。
 
その結果として、パニック発作症状や、予期不安は和らぎ、それらに左右されなくなり、気付けば回復しているという状態になります。
 
それとご主人のアドバイスのように、あまりに辛い状況にあるときには、薬を使ってしばらくしのぐのも、悪い対応ではありませんよ。薬は気分を和らげ、理性的な考えに自分を引き戻す役目を果たしてくれます。
「何がなんでも薬は使わない!」はあまり良い手とは言えません。ご主人のアドバイスも一理あるかと思いますよ。
 
またホルモンバランスについてですが、女性にあっては生理周期によって、精神的にも不安定になったり肉体的な不調もあったりで、それがパニック発作や予期不安に影響が出る人も少なくないです。
 
なので、そのような辛い時期は少し行動練習を控えたり、心身ともに休養の時期と割り切るのも、被害を大きくしない手です。その時々で臨機応変な対応をするようにしましょう。
 
私たちの毎日は、「変化と選択」の繰り返しです。
それら不安定さを受け容れ、浮かんで通り、時間の経過に任せる…という原則は日常生活にも生かされるのです。
 
少しずつ、一歩一歩取り組んでいけば、大丈夫です。やがて、こうした事態に対しても乗り越えることがうまくなってきますよ。