Q44:嘔吐恐怖症を克服するための基本

Aさんからの質問

初めまして。いつもブログやYouTube拝見させて頂いております。
 
私は嘔吐恐怖症とパニック障害4年目です。
一時は症状も落ち着いていた時もあったのですが、先月に大きな発作を体験してから、発症当時のような、もしくはそれ以上の不安感や恐怖感で毎日なんとかやりすごしている状態です。
 
私が最も問題としているのは不安感や恐怖感があると途端に食事がとれなくなってしまうことです。外食はもちろん、今は普通にできていた家での食事すらも不安感に包まれながらなんとか口にしている状態です。
食べないと痩せていくのも怖いので負のループです。
 
ちなみに以前は食べることが大好きで、食べることが生きがいみたいな人でした。こんな状況から抜け出してお腹いっぱい食べたいです。
 
食べれるようになるコツ、アドバイス頂けると幸いです。
 

回答


食べる事が生きがいだった人が、ある日を境に、嘔吐恐怖症、パニック障害になると、ほんと辛いと思います。
 
私もかつては嘔吐恐怖にとらわれていました。
もともと食べること自体にそんなに価値を持っていなかったというか淡白なもんでしたが、こうして嘔吐恐怖が治って、色々なものが心置きなく食べれるようになった今、食べる事が幸せ、大好き!となりました。
なので、あなたの辛さは相当なものでしょう。
 
不安や恐怖を感じると、食べれなくなる…
これはある意味、普通の身体の反応です。
誰もがこのような事を体験したこともあるでしょう。
 
しかしながら、「食べれなくなるのも度が過ぎる」といったところなのでしょう。その不安や恐怖感すら、きっと訳の分からないことも含まれ、いったい自分の頭はどうなってしまったんだ!と、また思考がグルグルと繰り返されていく毎日。
 
この先、どうしていったらいいのか?
 
まず不安や恐怖を無理やりなくそう、コントロールしようとしないこと。
 
そして、不安や恐怖がありながらも、少しずつ食事量、回数が増えていくことを目指しましょう。
 
間違っても、不安や恐怖を無くして食べれるようになるにはどうしたらいいのかという発想は、もうあなたも試みたところでしょう。
 
そうした対応は、いっときの紛らわしに過ぎません。
 
不安や恐怖があってはいけない、食べられない…ではなく、不安や恐怖があっても食べられないわけではない。今は以前とは違うので、ペースも遅いし、食べられないものも、状況も異なってはいるけど全くというわけでもない。そんな食事を心がけていきましょう。
 
そして同時に、食べる量より食べる場所を変えてみましょう。それは家の中でも同じ。部屋を変えてみる、向きを変えてみる。食べれてる実感が少しでも沸けばモチベーションもあがるでしょう。
 
外食の練習は嘔吐恐怖症の人にとっては、ハードルが高いわけですが、克服していくためには必要な訓練です。
 
感度の良いアンテナを今や、備えるに至っているので、外食時にも様々な雑音(思考)を拾ってくるでしょう。その雑音をなくすのではなく、慣らすのでもなく、ただそこに身を置いた時に、自分がどんな反応をして、どんな対応を取ってしまうのか、それをジャッジせずに、まるごと受け容れましょう。
 
そして、その間たとえ不快な波が押し寄せようと、そこにとどまる練習を繰り返しましょう。その中で沸いてくる、「単なる波のある思考」として受け容れ、浮かんで通りながら、食事を進めていき、その波の中を時間の経過に任せていくのです。
 
簡単ではありません。
だから練習、訓練なんです。
うまくやろうとしないこと、昨日と今日の結果を比較しないことがコツです。
 
食べる量については、体重のこともあって不安でしょうが、食べる量より食べる場所、状況を増やしていくほうが結果的に食べる量は増えていきます。その間は栄養の質に気を使いましょう。
 
細かい練習内容、その間に訪れる不安の波等の対処は、誌面上書き切れません。過去のブログ記事、またカウンセリングを定期的に受けてみてくださいね。