Q52:パニック障害の人が車を運転するということ

音さんからの質問

こんにちは。いつもアメブロやYouTube参考にさせてもらっています。
 
色々不安はあるのですが、今困っているのは車の運転です。なかなか不安がなくならなくて怖いです。
 
パニック障害発症後、仕事は辞めてしまったので殆ど運転する必要はないのですが、以前みたいに何の不安もなく一人でいつでも運転できるようになれたらいいのにと思っています。
 
主人が隣に乗って練習に付き合ってくれるときはいいのですが、一人の時は運転するのが怖いです。症状がでると、緊張して動悸がして呼吸が辛くなってきたり、胸の辺りから頭の方へ熱いものがこみ上げてきたりします。
 
そうなると、もうどうしよう、とパニックです。特に信号待ちでつかまってばかりだとなりやすいです。
 
失敗しても行動あるのみでしょうか。元々高速は苦手なので、そこまで乗れるようになりたいとまでは言いませんが。義理の家族に運転を頼まれた時に、怖くてできないと断り、気まずい思いをしたことがあります。
 
車の運転の不安感、どうにかならないものでしょうか。アドバイスしていただけたら幸いです。
 

回答


「失敗しても、行動あるのみ」
 
「失敗」はありませんよ。
 
もし失敗にこだわるのであれば、この先も失敗だらけです。
 
皆さん、事が起きた時に「それは失敗だった、ダメなことなんど」ととらえてしまいますが、それは正しくありません。
 
あくまで、やることは実験です。
実験ですから、うまくいかないこともあります。
しかし、それは実験をいずれ成功させるためにも必要な過程の一つに過ぎません。
 
ここは何度も言いたいぐらいに重要です。
今後も何度もうまくいかないことは起きます。
必要なんです、それは。
 
失敗ととらえれば、誰もが自信を失い、不安にだってなるでしょう。
 
しかしながら、それは単なる実験の結果であって、その結果は成功に近付くためにも必要なんだと自分に言い聞かせることは大切ですよ。
 
でも、きっと誰もが…
「それは言われなくてもわかってる!」
「でも不安なの!」
「不安をどうにかしたいの!ならないの!?」
 
なんだと思います。
 
車の運転はパニック障害の人にとっては、とても不安になるものです。他の車の様子も伺いながら神経を使いながらの運転ですから、なおさらです。
 
信号待ち、交差点は私もそうでしたが、そんな場所で発作症状が一度でも出れば、なかなかその後の運転に戸惑います。
 
そんな場所で発作症状を出すにはいかないのです。
 
他人に迷惑だし、危険だし…
 
そしてあなたの場合、家庭を振り返れば、義理の家族への思いもあって、余計にプレッシャーに。
 
こうした思考が不安にいっそうの拍車をかけます。
 
出てくる不安はそうした思い(考え)があるからこそです。当然の不安なのです。
見方を変えれば、車を運転する事が不安なのではなく、そうした思いの中身が不安なのです。
 
自分の中のルールに沿わない状況を怖れ、そうなっていない事がいけない事だと思えば、当然自分の安心も確保されませんから、コントロールしようと躍起になります。
 
ますます神経過敏に陥り、なかなか思うようには不安が緩んできません。
 
車の運転への不安は、運転そのものよりも前述したような思いからやってきます。まずそれを自覚しましょう。もちろん「そんな事を思う必要はありません」と言っているのではありませんよ。
 
そもそも車の運転で、不安になることの根源がそこにあり、そこに当てはまらなくなる状況になるのが怖くて不安なんです。
 
もし、今度そんな場面に遭遇したら、力を抜きましょう。そのために一度、大きくため息をつきましょう(深呼吸して呼吸を整えることは必要ありません)
 
そしてこんな風に言い聞かせておきましょう。
 
「私はちゃんと目が見えている、他の車を見れている」
 
「外の音もちゃんと聞こえているし、ハンドルも手が汗ばんではいるけれども、ちゃんと握れている」
 
「意識が遠のく感じがしていても、私はちゃんと今自分に言い聞かせが(実況)できている」
 
五感を意識してみましょう。
なんら、にぶい状態ではありません。
ちゃんと自覚できています。
そのありのままを、しっかり気付きにして言葉にしていきましょう。
 
もし、台詞が真っ白になることを怖れるならば、前もって、小さなメモにしてハンドルの真ん中に貼っておきましょう。私はそうやって運転の練習に取り組みましたよ。
 
そしてあなたにもできるはずです。できないとするならば、そんな簡単なことで…と疑いが入るからです。
 
もちろんすぐには、その場で不安から解消するわけではありませんよ。しかしやらないと思考は暴走してしまい、事実と解釈がゴッチャになってしまって、ますます思考に振り回されることになるのです。
 
気付き、自覚が「思考の奴隷」から脱出する、唯一の方法です。
 
その場、その場で気付き、訂正していきましょう。その場でやらないと意味がないので注意してください。家に戻って振り返って納得しても、脳は書き変わりません。ここ皆さん、要注意事項です。