Q69:人から喜ばれる生き方はつらい

なっちさんからの質問
 
先生こんにちは!
パニック障害になってから、どうしても人と約束する事が苦手になってしまいました。
当日まで行けるかずっと緊張していたり、当日も行く寸前まで行けるのか迷います。行かなかったらショックでよりパニック症状が酷くなる感覚もあります。 

そーゆー時はどうしたらいいんですか?
無理にでも行って失敗したら、引きこもってしまいそうで失敗を恐れています。 

不安も受け入れようと頭では分かっていますが、心がまだ受け入れれてないんでしょうか。


回答
 
 
パニック障害になって「約束が苦手になった」は多くの方が同感なんだと思います。

その日までの予期不安の辛さや、他人との約束であれば、相手方への迷惑を考えると、「約束」とは私達にとっては血判を押すほどの勇気が必要なのです。もちろん私もそうでした。

もちろん失敗に対するイメージ、ダメージを考えると回避してしまいたくなるのも無理ありません。

私も過去そんなところが多くありました。回避すれば、ますます約束することが苦痛になり、人間関係を狭めていくことに。外出すら範囲は狭くなりました。

自分との信用は回避行動することで、脆くも崩壊したのです。もちろん回避行動ですから、いっときの安心感は芽生えますが、それもつかの間、自己嫌悪に襲われてしまうだけです。

パニック障害を克服するには、あなたもご存知のように、「恐怖突入」が必須です。もちろん人によって状況はそれぞれ異なりますから、そのやり方、さじ加減は考えなくてはなりません。 

基本は「約束」をしてみることです。
そしてその過程、結果についてはジャッジをしない、あくまで訓練の一つとして試みてみる。

恐怖突入することで色々と見えてくることがあるのです。
事実と解釈は異なること。事実に対して、自分がどう解釈するのか。見えてくるものがあります。

頭での理解ではなく、体感として味わうことに意味があり、体感、体得が脳の書き換えを促進するのです。
行動練習は「実験、実証」の場だと思ってください。

そして、もう一つ。
あなたにとって「失敗」とはどんな事を意味するのでしょう。「自分に対する評価が下される」場だと解釈していませんか?

自分はよっぽど、他人様に迷惑をかけてはいけない、なんびとにも好かれていないといけない。 他人からのしてもいない、見えない要求に応えようと必死で生きてこなかったですか?

もちろん相手はあなたの細やかさに感心して、喜びます。でも、そんなの毎回無理です。でも相手はそれをあなたのパーソナリティとして見るようになりますから、あなたにとってはものすごい人間関係が辛く、ギクシャクしてきます。

あなたにはそのような所はありませんか?
そのような事がないのであれば、この先は読まなくてもいいです。 

期待に応えようとする、しかもすっごい笑顔と快活さを武器に。でも実はそんな自分でもないのに、それを演じなきゃならない辛さに気付いていますか? 

したくもない選択をして、あとで溜息をついて後悔することが結構あるとしたら、それは病気にだってなります。
不安を受け入れていないのではなく、求められる自分とは違う、本当の自分を受け入れていないのです。

他人の見本になるような生き方は辛いです。 他人の評価が自分の全てだとしたら、この病気の意味する所は大きいですね。 

あなたに生き方の修正を求めているわけですから。

あなたが「他人のために演じる」努力して生きてきたとしたら、もっと自分が喜ぶ生き方、選択をしましょう。
信用というものを大切にして生きることは悪いことではありません。それはとても大切なことです。でも他人との関係より、自分自身についての信用を育てていきましょう。