ピノさんからの質問
先生が言うように、昨日も大波が朝、職場できました。戦わない、浮かんで通ろうと思ったのに、職場の人に心配された途端、また強い恐怖感がきました。焦ってまた取り乱しました(汗)
外の空気を吸って、少しずつおさまっていき、最後まで仕事はしたものの、大波に凹む自分がいます。
先生に追加の質問なのですが、
先日、職場の方に言われました。
治し方は十人十色。
この方法で良くなる人もいれば、ある人には合わないこともある。もともとの性格や環境、抱えてる悩みや問題も人それぞれだよと。
確かにそうは思うのですが、私は15年前にパニック障害と言われ、通院したのは2年、薬も2年で終了。薬で治ったと、実感はないです。
でも季節や出産をしてからたまにですがこうやって出て、敏感になって…
不安のメカニズムにも書いてありましたが、私にはこのやり方は出来ないんじゃないか、あの人だから出来たんじゃないか。という疑問。
私はこのやり方で回復してきたので自分を信じ続けていきたいです。ただ、今は大波に敏感になってるし、もともと神経質、他人の目を気にするタイプだから、私で大丈夫かなと思う瞬間があります。
回答
頑張っているのに、なかなか結果が出ないとき、人はどうしても、「自分は治らないんじゃないか」「この方法は自分には合わないのかも」と思いがちです。
私もこの方法には、はじめ抵抗があって、きちんと取り組んできませんでした。のらりくらりと言った感じ。
治っていってる実感がわかないのは、一つは「間違った方法をやっている」があります。カウンセリングを受ける方の半分は、聞いてみると思い違いをしていて正しい対処とは言い難い。 なので、カウンセリングは5回から10回程度は必要だったりします。
もう一つは、水面下では効果が出ているが、まだ表面には出ていない。本人の焦りの感情から、自然と期待値が上がりすぎてしまっているところ。
努力の結果を症状や予期不安が楽になっているとか、消えているとかに持っていくと、こうした欲求不満に陥ります。
どこまでも目的は、症状や予期不安はあるけれど、行動範囲が増えてきた、やり過ごす力が出てきた…などです。
でも大抵の人は、これが理解しているつもりで理解できていません。特にちゃんとやっている人ほど、「ちゃんとやっているんだから、このぐらいは代わっていて当然だろ」という思い込みがあるからです。
やったからには結果を求める…それは仕方がないにしても、心の問題にアプローチする時に、結果に対してはむしろ期待しないぐらいの方がいいのです。やっただけの目立った結果は求めない。症状や予期不安は同じようにあったとしても、行動範囲が広がった、浮かんで通り、時間の経過に任せることができるようになってきた。
つまり、「ゆだねる」ことができるようになってはじめて、結果に対して右往左往しなくなるのです。
やっているのに、まだこれがある、ここが変わっていない…そうら呟くとしたら、それはまだ「受け容れきれていない」ということです。これは動画でもお話していますので、何度も見て復習してくださいね。治していく過程は年単位です。
その間、自分の身を含む、周囲の状況にも変化があります。そうしたライフイベントに振り回されてしまうこともあるのです。
時に巻き込まれ、症状のぶり返しにも似た大きな発作症状に見舞われるときだってあります。そんな時、相当なショックを受けるものです。しかしながらそれさえも、回復する過程においては必要な要素だったりします。
提供している方法は、木でいうところの「幹」にあたります。薬や他の方法は「枝」です。そうさた枝には今にも咲きそうな、蕾がなっています。
人は安直な方法に流れがち。
基礎を徹底することが苦手な生き物のようです。もちろん私も含めてです。今にも咲きそうな蕾をもった枝は、あちらこちらに落ちています。ネットの情報を見ればわかりますよね。
あなたに必要なのは、また、このブログを読んでいる方々に強く求めたいのは、私もあなた達と同じ経過を辿ってきました。そして今ここにいます。私だから治ったわけではありません。あなたと同じ葛藤を抱えながらも基礎を対決に繋げてきたからです。
「枝」は単なる枝にすぎません。
いくら蕾がなっていても、栄養を吸い上げる幹から折れて落ちているものには、咲くことがありません。
まず「幹」を、しっかりと育てることです。太くしっかりと根を生やした幹が出来上がってきたら、枝をさせばいい。そうすれば栄養を吸い取り、花も咲くでしょう。
治すために使う方法の順番を、間違えないようにしましょう。
この方法は性格や環境、症状の違いに左右されるものではありません。心がけの基礎でもあります。九九が解けなくては、それ以上の計算ができないのと同じように、あなたが抱えている症状に対応するにあたりの基礎中の基礎。
そんなわけですから、他の方法より優先してまず取り組まなくてはならないということです。
ネットでは様々な情報が飛び交っています。
手っ取り早くなんて方法はありません。多少の苦痛は伴うことがあります。それはその苦痛から得なければならないパニック障害と付き合い方のエッセンスが含まれているのです。
その場の安楽を求めてしまうのは人間の性でしょう。私にもそれはありますし、当時の私もあなたと同じような葛藤を抱えいました。時に「枝」を手に持つこともあるでしょう。しかしながら「幹」にも水を上げることを、どうか忘れませんように。