Q85:苦しみは症状だけにあらず、実は自分の不甲斐なさ

りさんからの質問
 
パニック障害で、口の中が苦く感じたり、ご飯が味がしにくかったり感じたりするのでしょうか?
 
体が熱く感じたりするときもあれば、不安感や、予期不安など、もうほんとに嫌になります。子育て真っ只中でのストレスもひどく、自分の体のことでいっぱいいっぱいになる自分も嫌です。楽しくしたいのにこんなのが悔しいです。
 
今日はこんな日だと考えればいいのですがなかなか難しくて。
 
ずっと薬も飲んでないですし、飲む必要があるのかもわかりません。悔しいだったり、嫌だと思ってる時点で受け容れられてないのですよね。またブログ読み返したいと思います!
 
それと富樫さんのカウンセリングで完治した方のお話をいくつか聞きたいです!!
 
話がバラバラになりましたが、よろしくお願いします。
 
回答
 
パニック障害で、口の中の味覚に障害が出たりする事は主症状ではありませんが、慢性的な緊張状態から、唾液の量が少なくなることもあり、口内細菌の増加などによって、味が感じにくかったり、苦味を感じる事はあるようです。

それらにとらわれるようでしたら、1日のなかで数回にわたり、口をゆすいでみたり、ハンディー用の口内洗浄スプレーなどを使用しても良いかと思います。パニック障害によって、毎日が慢性的な監視状態にあるので、自律神経も乱れがちです。

自律神経の乱れは、動悸や目眩、冷え、のぼせなど人によって様々です。

そうした身体的な不調を感じながらの、毎日の子育ては大変に辛いことかと思います。

そこに潜むであろう、何で自分だけがといった苛立ちや、不満、悔しさといった当事者以外には、なかなか伝わらない気持ちを発散できずに一人抱えていることに、またさらなる不満が重なっていきます。

うまくできない自分を悔しがり、責めているのは大変辛いことです。

提案としては、子育ての分担や、自分の中の子育ては「こうあるべき」ルール、生活サイクルなどを、もう一度、見直してみるのも良いかもしれませんね。

また時間があればですが、少しずつ断捨離や、部屋の模様替えなどにも、ゆっくり時間をかけてみるのも良いかもしれません。

今の状態は、自分の内面にばかりに目が向いている状態です。感じ方に集中してしまえば、気付くのは決まってネガティブな感情ばかりといったことでしょう。部屋の模様替えなど、少し外側に目を向けてみましょう。

あなたが感じる気持ちは、そもそも、もっともな気持ちなんです。ご自身を責める必要はありません。このような心身の状態で、何か事を成す時、うまくはできませんし、時にやり切ることすらできない時もあるでしょう。

そうした不甲斐なさを、今は甘んじて受け容れていいのです。

完治した方のお話ですが、ホームページの「皆様の声」にも一部書いていますので参考にしてください。現在ではあの方達はすべて完治しています。

カウンセリングの性質上、完治を宣言する前に、ほとんどの方がカウンセリングを離れ、学んできた事を実践して、時が経過したのち、完治のご連絡をいただくことがとても多いです。

誤解を怖れずに言いますが、カウンセリングは学びの場であり、完治の宣言はカウンセリングルームでは一般には行われません。これは他の病気の課とは大きく違います。

精神科、心療内科でも完治宣言はしません。「寛解」という言葉を一般に使います。

人間関係で傷付いた人を助けるのは皮肉にも、これまた人であり、会食恐怖になってしまった人が食べれるようになるのは、あの時のファミレスや、定食屋であり、乗り物恐怖症では、あえて乗り物に乗ってレジャーを満喫してくる。

そうした体験の場での結果が全てとなります。
カウンセリングは継続していただければ、それだけの結果に到達する月日や、リスク回避、モチベーション維持等の確実性は高まります。

しかしながら、再度申し上げますが、どのカウンセリングルームや、精神科、心療内科でも、ドクターショッピングされる方が多く、また完治する前に、離脱して一人で頑張り、その後不定期に受診…そんな方がほとんどです。

それでも病院やカウンセリングを受ける事には大きな意味があることは間違いありません。自己判断、自己流は危険ですから。
 
この事はあまり言いたがらない先生が多いですが、私はあえて正直にお話させていただきました。ご理解していただけたら幸いです。
 
しかしながら、完治のお知らせをしていただけている人は、10年以上この仕事をしてきて大勢いることはお伝えしておきます。
 
なので、どうか諦めずに、自分を責めることなく、コツコツと克服への道を歩まれるようお願いします。