回答
誰もあなたに何かを求めてはいません。
求め続けているのは、あなた自身です。
幼少の家族間で起きた出来事が「こころの傷」となり、心に穴があいたまま、その後の人間関係で苦しい思いをしながらの生活を送る人も少なくありません。
お姉さんとの対話の中での「気持ち悪い!」という言葉、そして嫌な顔をされたことが、のちのちの人間を見る一つの尺度になっているように思います。もちろんその言葉、態度は人を傷付けることに繋がるかもしれないものです。
しかし、その時のお姉さんも何か事情があったのかもしれませんね。遠い昔に起きたことです。その間、そうした傷を持って生きていく過程で様々な人間関係で、この体験を引っ張ってくることで、少しずつ過去の記憶にも知らないうちにズレや拡大解釈も生まれてきます。
お姉さんの事情も察する気持ちの余裕があるといいですね。人は時に、自分は犠牲者だという武器を使って、人を見てしまうことがあります。
しかしながら、あなたにとっての事実は、あなたは傷つき、そこにポッカリと穴があいてしまい、今だに埋められていないようです。その穴をうめるために、今も自分の価値基準を他人からの評価にしてしまっていて、相手の顔色、言葉等に振り回されています。
自分の身振り手振り、言葉にしても自分の本音は吐けずに、相手仕様に変えて、ご機嫌を取るような対応をしているでしょう。そうすることで他人からの承認を受けようと必死になっているのです。その時のあなた、そして今目の前の相手は、「過去の自分達」です。すべては傷付きたくない思いからです。
しかし常に気持ちの先回りをしているために、頭と神経を使うので疲れ、とても心は安心感が得られていない状態です。いつも監視の目が注いだ生活を自ら強いているのです。
誤解を怖れずにあえての例えをしますが、今のあなたは、もうとっくに戦争は終わっているのに、ソレを知らずにジャングルで、弾のない銃を構えて隠れて生活をしているようなものです。
それもこれもあなたの肥大化してしまった「承認欲求」からくるものです。承認欲求も大きくなると、人間関係において大変面倒なことになります。
「見捨てられ不安」があるので、時に過度に人との距離を縮めてみたり、離してみたりして相手の動向を探ることをしてしまうこともあるかもしれません。ひそかにあなたは他人を試しているのです。
しかし、それもすべては過去に負ってしまった傷、そしてポッカリと空いてしまった穴を埋めるための代償行為です。ソレを癒やす、埋めるための行為なのですが、過去の傷、あいた穴に執着すればするだけ、自分を過去に縛り付けて、今を生きることができなくなります。そしてそれは今はもう埋められないのです。しかしなかなか意志の力ではコントロールし難いところだと思います。
そこには「あなたを守るため」の役目を、今だに実直に果たそうとしている機能が残っているからです。しかし、それはもはや過去の遺物です。
しかしながら、もはや過去にこだわっていても、しょうがないと思っていても、潜在意識は過去の体験を凍りつかせて抱えたままです。それは、その後の人間関係で傷つかないための大変感度の良い、非常ベルのような役目を果たしているのです。
そんなあなたがこれから必要なのは、その非常ベルが鳴ったときに感じる、「感情」に気付きを入れることです。その感情が過去の体験からきたもので、自分をこれ以上、傷付かないための、心の警報装置が作動しているに過ぎないと。しかしそれは今の自分には必要のないものであると。今目の前にいる人は、あの時の誰かではないんだと。
今や必要のない過去の遺物をあなた自身が、やさしく弔うことが必要です。
過去にスッ〜とスライドして、過去の自分で今を生きることを自然としてしまっているので、そんな自分に気付きを入れつつ、今に自分を引き戻しましょう。これは訓練であり、毎回の気付きが早くなればそれだけ、今にいる時間を増やすことができます。あなた自身が傷付かないための非常ベルを手放していく必要があります。
あらゆる人間関係に敏感になっているのは、そんな過去の体験を物差しに世界を見ているからです。これから先、その物差しと非常ベルを手放していくことが大切ですよ。
あなたも自由を選んでいくと同時に、お姉さんも自由にしてあげなさい。相手に承認欲求をぶつけても、相手はそれをあなたの期待するだけの承認を与えてはくれません。
あなた自身がこれらを手放し、今を生きることを決断することが、もう求められているのではないでしょうか。
過去の世界にかけたままのメガネ越しに、今を見れば、暗黒の闇。しかしそのメガネをかけていることに気付き、あなたがソレを外した時、世界は意外にも明るく、闇だけではないことを知るでしょう。
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「嫌われる勇気」「セドナメソッド」を参考にしていただくと良いかと思います。
私がお話している気付きの手法と合わせて、自分としばらく向き合ってみましょう。