Q111:完璧を目指さない社会復帰

みっけさんからの質問

 

富樫さん、こんにちは。またブログでの質問を受け付けてくださりありがとうございます。

何度も読み返したり、認知行動療法を勉強したりして4年前まではデパス0.5を一日3回服用していましたが→うちからでられらくなるのが嫌でしたのでお薬を飲んで行動療法をしていました。

それまでは働くこともままならず、だけど趣味のサークルなどには参加して少なからず社会とつながろうとしてそのためにお薬を飲んで頑張りました。

その結果、お薬とも離れ(たまに飲みますが)、働きにも行くことができ、フルではありませんがたまに7.5時間勤務もあったりしていく前は緊張でいっぱいだったのですが薬も飲まず仕事ができて、めちゃくちゃうれしくて誰かに褒めてほしくなったくらいです。わたしも社会とつながることができていると思って。。。

7月のシフトが少なかったので所長にもっと入りたいと思っていた矢先、肝斑の治療でトーニングたるものを受け、トラネキサム酸というお薬を飲み始めてからどうも調子がおかしくなりました。

症状としては朝の胸のつまり感です。上に書いたものが原因かはわかりませんが、すっかりやる気を落としている自分がいます。つい最近まではお薬なく仕事に行き(ポケットにはいれています)、自信になっていたのですが朝起きて2時間もしないうちにお薬を飲んでしまいます。

お薬も久しぶりに飲んだのに効いているにはいると思うのですがスッキリしなくて。何か悪い病気ではと心配になってしまいました。もうこうなったらマイナスなことしか頭になくて、来週にでも健康診断に行こうと思ってます。(汗) 

結局、意味のない原因探しをずっとしてしまう自分がいやなのですがどうやってこの先お付き合いをしていけばいいのでしょうか。もっと働かないとお金がないと思っていて、やっと長時間勤務もクリアできた矢先のことですのでショックが大きくて。 

どうか富樫先生のご教示待っています。
ここまで読んでくださりありがとうございました。


回答 


完治までの道のりは、山あり谷ありです。
スムーズにいかせたいために、人は様々に安全策を取り、コントロールできないことすら、コントロールしようとします。 

パニック障害の方も、そしてあなたも例外なくその罠にハマっています。予期不安や症状は確かに嫌なことであり、時に怖いことなのかもしれませんが、今や「何か起きたら、コントロール不能な状態になってしまうのではないか」…そんな怖れがあなたの中に渦巻いています。

根拠のない原因探しが無駄なことは、誰もが分かっていることです。しかし人は、それに強い関心を持ちます。それが当然なのです。その強い関心の扱いを学んでいきましょう。原因探しをする自分を責めることを、まずは止めてみましょう。

肝斑の治療としての、トラネキサム酸については、比較的安全な処方ではありますが、副作用として、まれに食欲不振、吐き気があります。その副作用の一つとして、胸のつまり感があったのかもしれません。しかしそれは可能性の一つ。

問題は、その今までにはなかった身体の違和感に対して過剰な反応をし、自分がいつもひそかに気にしている「再発への怖れ」にとらわれているということです。

「今まで良くなってきたのに、また酷くなったら、戻ってしまったらどうしよう…」というアレです。 

再発への怖れが、「職を失うことへの怖れ」に続いていたり(金銭的な問題)、職場の人達に対しての迷惑をかけてしまうのではないかという「他人からの評価」への怖れなどに繋がって、必要以上に安全、安心のためにコントロールしたい欲求が強い状態にあります。そこをチェックしてください。どうですか?ありませんか?

しかし、それはそもそもコントロールできないし、コントロールする対象にはありません。なぜならば「一人芝居」だから。

それらに対してのあなたの対応は、健康診断なのでしょうが、その結果を見て何もなければあなたは満足するでしょうか?

前述した怖れの根源を明らかにし、それは一人芝居のイメージによって心がざわめいているだけだと受け容れ、そして浮かんで通り、モヤモヤしながらも、時間の経過に任せ、今できること、与えられていることに邁進するようにしましょう。

安全、安心でありたい欲求、何かあれば、コントロールしておきたい欲求を手放しましょう。

そしてそれら欲求が高まってしまう、再発への怖れ、他人からの評価など(承認欲求)を意識するたびに手放していきましょう。