· 

Q112:パニック障害の人が苦手な夏到来!

ミルクティさんからの質問
 
先生のカウンセリングも受け、不安のメカニズムでも読んでいます。
 
実践して、なるほど!分かってきた!と思うことが増えてきました。
 
症状を感じながらも、今したいこと、今やっていたことをする。出来てきます。
 
行動範囲も広がり、意欲も増しました!
 
しかし、私にも来ました!
そして罠にはまりました(^^;)
 
私はどうしても夏が苦手。
いや、昔は大好きでした…
 
最近暑くなり、車内など暑さでモワっとしているから、私の最大の症状、窒息感、恐怖感、焦りが出やすくなります。
 
先日、車を運転している時、
うわ~息苦しい!と思い始め、いつもなら気付きを入れ、今に戻れるのですが、この日は全て無理!となり。
 
こわい、窒息する、しかも渋滞!と焦り、車内でパニック。すぐ停めれる場所へ行き、外に出ました。
 
かなり久しぶりに怖い無理!と口に出しちゃいました。「~と思っている自分に気付いているよ」と、出来ませんでした。
 
それから目的地へ着くも、ふらふら感、窒息感、恐怖、不安感。もう、連続でどんどん来ました。
 
職場の人に電話をし、話を聞いてもらい、その時も、え!私、今まで出来てたのに今こんなヤバい状況!?っと焦る焦る。
 
なかなかおさまらなかったです。症状に波があり、落ち着いたら、またすぐ襲われる感じ。
 
分かっているのです。第二の恐怖を付け加えちゃいけないことも。
 
でもその後、敏感になったせいか、仕事中末…心配されたことで、私、そんなヤバい状況なのか!?と、また脳内は暴走。
 
こんな日もある。回復の過程だ。
と、出来ませんでした。
 
そこにも、気付きを入れてはいます。
 
先生に聞きたいのは、症状がマックスの時、自分が落ち着くと思える場所や状況に行く、する、方が良いのか、マックスだろうと、そのままにしておいた方が良いのか…
 
もちろん、今までは、症状はそのままに、今に戻る。をして、それが出来ていました。
 
だけど、症状をそのままにしておくのがあまりにも怖く感じ、少し立って、肩を回したり歩いたりしていました。
 
そのまま、あの状況のまま仕事を続けていても、おさまったのかなぁと、後で知りたくなりました。
 
いや、どんな強い症状でもおさまるはずなんでしょうけど、先日はなかなかおさまらなかったので怖くなったのです。神経が過敏な状態だからおさまりが悪かったのでしょうか?
 
これから夏本番。子供の送り迎え、行事、仕事、帰省。色々あります。正直、びびっています。
 
薬はやめてから13年も経つし、症状も出産した数年前から少し出ただけなので、今さら病院には行く気もないし、薬もいらないです。
 
やはり、頭の中でのイメージですかね。上書きしていきたいです。
 
今さら諦めたくないです。夏を前のように好きになりたいです。
 
先生の経験談を聞かせていただけたらと思います。
 
 
回答
 
 
「罠」についてのご質問。
「罠」について考えるとき、まず前提として大切なのは、「罠」にかからないようにするにはどうしたらいいのか?ではなく…
 
「罠」にかかったら、どう対応するか。
 
これが一番大事。
これは「罠」に関わらず、パニック発作症状を起こさないようにするにはどうしたらいいのか…ではなく、それが起きた時にどう対応するかが重要である事と同じです。
 
ここは皆さん、非常に取りちがえるところ。
精神科の先生さえ、あなたを思ってか、「起きないようにするには」的な発想で薬や休養を進めてくるわけですが、解決には至りません。
 
起こる現状をあなたも受け入れなくてはなりません。いっときの安心を得たい気持ちは分かりますが、「起こさないようにするには」的な発想でこの病気を治そうとすると、より慢性化の一途を辿ります。
 
大切なのは「起きたときに、どう対応するか」。
そもそもが起きた時の対応が間違えていたから、今のあなたがあるということ。
 
さて、ここまでは、この記事の読者の方々に向けての大切なことをお話しました。何度も読んで頭に入れておくべきことです。
 
さてご質問の件。
この初夏からカウンセリング案件が増える季節です。なぜか。答えはシンプルで、「暑い」から。
 
「暑さ」からあなたは何を連想するでしょうか?
その連想から怖れのネタは尽きることがなく、まさに怖れていたことが起き、罠にハマっていることが分かりながらも、そう反応せざるを得なかったのが今回の結果です。
 
そしていつのまにか実況に必死になりすぎ、実況が症状をコントロールする手段となってしまったこと。
 
でも!まぁ…こんな時もあります。そして大丈夫。私もかつては通ってきた道。心配いりません。あなたは必ず治ります。その上で回答をさらにお読みください。
 
それが「罠」だと気付けているだけ、進歩はしているのです。そして「罠」はこれから先も何度も訪れては、それにハマる事と思います。だからといって「罠」を怖れると、前述のような発想に至ってしまいます。大切なのは、「罠」にハマった時の対応です。「罠」に直面し、受け容れるところから。
 
今回の出来事は、まさに暑さをキッカケにして、きっと心の何処かで思っていた、不安がまさに的中した!といった感じであっという間に、その虜となってしまいました。こんな状態でいつもの実況中継ができるはずはありません。
 
なので、できなかったことにジャッジはいりません。そして実況できなかった事実を一つの出来事として捉え、それを体験した日として受け容れることがまず大切です。
 
わかっていても理屈通りに現実はならない事は、よくあることです。嘆くより今回の体験を次回に生かして、より「罠」の被害を最小限に食い止めればいいのです。しつこく言いますが、間違っても今回の体験から「罠」に引っかからないようにするには的な発想で受けとらないように。
 
前置きが長くなりましたが、その上で発作症状が「マックス」になったときにどうするのか?
 
基本原則は「逃避行動」はしてはならないということ。直面し、それを受け容れ、浮かんで通り、時間の経過に任せるという原則通り。
 
しかしながら、それもできない時もあるでしょう。反射的にその場を離れてしまうとき、また少しは受け容れられても、やっぱり無理!と逃げてしまうこともあります。それはそれで今回はそんな出来事を体験したとして受け取りましょう。あまり結果に固執しないように。
 
今回の事は、自分にとって条件が最悪なものと捉えてしまったのかもしれませんね。
暑さも手伝ってか怒涛のような発作症状の波がやってきて持ちこたえられなかったのでしょう。そんな時もあります。
 
ましてやどうでもいいイベントであれば、そこまでならなかったかもしれないのに、あなたにとっては大事な決まりごと、「私が役目をおってやっていること」に関しては、条件として発作症状は出やすいです。
 
「大事なこと」こそ、予期不安は強く、発作症状は出やすく、そして「罠」にもハマりやすいということです。これは考えてみたら当たり前のことですよね? 
 
ほとんどの方が抱えている怖れの一つに、この「体験する事」は大事だとわかっていながら体験したことによる「トラウマ」にならないだろうかということ。
 
前にも記事で書きましたが、ここで言うところの「トラウマ」は自らトラウマと設定してしまう間違いから、あたかもトラウマになってしまう決めつけで始まっている話。トラウマにしているのは私達なのです。なのでトラウマからこちらに走ってかぶってくるわけではありません。この怖れは無意味であるということ。
 
今回はまさにそれだけ神経過敏にならざるを得ない条件が、「暑さ」をはじめ加わったこともあります。次回はぜひ、今回よりは少しでも長く居続けてみましょう。そして少しでもいいのでその不快感がどんな風に形を変えていくのか。
 
小さく、消えていくことを期待はしてはいけません。実際は形を様々に変え、決して一定ではないという事実を体感してください。ほっておいたらどんどん大きくなるのではないかという不安が、今回の逃避行動の発端ですから、果たしてそれが本当なのかということを実験してくるのです。
 
「どんなに強くても発作症状は治まっていく」これはある意味、事実ではありますが、そうならない前に逃避行動、回避をしてしまう時もまだまだ多いのも事実でしょう。
 
こうした練習をする時には、たしかに実況等やって、そのまま居続けている実験をして結果、大丈夫だった、発作症状は治まった!という体験をしてくることが大事ではあるのですが、もっと大事なのは治まってはいないけど、その場に居られないわけではない、発作症状は消えてはいないけど、波のように大きくなったり小さくなったりを繰り返すだけだった、ただそれだけだったのだという体験をすることにあります。