なっちさんからの質問
お陰さまでコンサートにいってくることが出来ました。
行きの車の助手席では家からどんどん遠くなることで、どうしよう!パニクって帰れなくなる!と思考が暴走して何度もマックスのパニック感に襲われました。
そのたびに記事にあったように「そもそもの今」に戻るをやってました。
具体的にはスマホのナビ見ながら運転手に道を伝えること、運転手との会話、パニックになる前は普通に通ってた景色を楽しむことです。ただ、パニックに挨拶したり眺めてみたりする余裕はありませんでした。
コンサート会場内ではパニック感に挨拶や実況中継をする余裕もないほど緊張とマックスのパニックで「ここは二階だから階段降りればすぐに逃げれる」「でも家に無事帰れるのか?」そんなことばかり気にしたり、スマホをみたり回避ばかり、パニックから逃げてばかりでした。
会場には一時間半いることが出来ましたが同伴者がトイレに行くと言うので1人では居られず一緒に出てしまい、最後までいると帰りが混雑するので途中で帰りました。
先生はブログで怖さ「6」くらいで行動練習をオススメされてましたがこのコンサートへの挑戦は「10」でした!
そして、本題なのですが夏にまたコンサートのチケット抽選に当たりました。場所は前回と距離的には変わりませんが会場が五階です。
前回あんな状態で二階に居るだけで逃げ出せずにおかしくなってしまう恐怖感マックスだったのに、今度は五階です。
パニックになってから二階以上行けてません。この状態では無謀すぎますか?
本番まであと1ヶ月ぐらいですが似た状況で練習をするべきでしょうか?1ヶ月で出来ること、本番心がけることはどんなことでしょうか?やはり辞めるべきでしょうか?
私はいつも本番前に本番いざというとき、どう対処するか作戦を立てます。今回のことだと、車中でパニックになったら端に止めてもらう、五階の会場でパニックになったらエレベーターで一階まで降りようなどそれをシミュレーションしています。
そうでないと本番いざというとき余計に焦ってしまうからです。避難訓練を予めやっておけば本番その通りに動けばいいという安心感のようなものです。
ですが、そもそも本番前に本番のことを考えることじたいしないほうが良いのでしょうか?
どんなときも出掛ける前、沢山考えてしまいます。
回答
結論から先に言います。
「ぜひ!行ってみましょう!」
せっかくのチャンスじゃないですか!?
しかも抽選に当たったんですよね?
行かない理由はないですよ!
確かに前回のコンサートの体験が、あなたの中に迷いを生み出しているのでしょう。
そしてこの不安さえなければ…と思ってる。
しかし、当面はどこまでも不条理な不安を抱えながら、ある事をする必要に迫られるときがやってきます。そしてそれは練習の原則とはかけ離れたものとなることが多いです。
面白いもので、ある挑戦をして、それによって今までにない成果を残し、その物事のとらえかたが変化していくと、まさにお試しとばかりに次の新しい挑戦を与えられるようです。
次回のコンサートは、前回の結果とどう変わるのかはわかりません。今回はそのための備えもいいでしょう。お守りものを使っても構いません。
コンサートを少しでも楽しめれば良しとしましょう。
今回は「せっかくの機会」というものを回避せずに「やってみる」という視点で取り組むのです。
症状が出るか否か、不安にはならないかと、有る無しにとらわれることなく、そんな状態が訪れようが、好きなコンサートに行き、多少ではあるかもしれませんが、会場と一体になっている感覚を味わってきましょう。
今回は前回の体験から、自分がどうなるかをある程度知ることができました。だからこそ今回のことに悩まれているのかと思います。でも考えようによっては、前回の体験を踏まえて、前回以上に対策を練ることができます。
無論、あまり練りすぎてしまうと、やっぱり無理かも…となりかねないので、この辺の兼ね合いが難しいかもしれませんが、それでも次回のコンサートに挑戦する価値はあります。
そして例え結果が、期待していたことに程遠いものであっても、結果をジャッジせず、1つの体験として受け止めましょう。
決して「だからやらなければよかった」としてしまうと、自らその体験を「トラウマ」にしてしまいます。
不安症の人がとらわれる「トラウマ」は災害時トラウマの解釈とは異なります。トラウマは自らがそれをトラウマと決めることから始まります。
結果は「1つの出来事としての体験」と受け入れて、また通常の生活に戻りましょう。こうした大きな体験をしてしまうと、後日から生活そのものの質を安全、安定な方向へ小さく縮こまっていく人がいますが、それはいけません。
その辺さえ注意しておけば、次回のコンサートはあなたにとって、またとない好機会となるでしょう。
その日まで、できることをやるのも良し。やらない方が自分にとってはいいかも…と思うのであれば、それも良し。
今回のような飛躍した形の機会は、そう訪れるものではありません。次のステップへの第一歩として挑戦してみましょう。
やってやれないことはない。
やらずにできるわけがないのですから。