今回はYouTubeの講義動画の、新シリーズの「告知」です。少々長い内容となりますが、大変重要な観点を含んでいますから、シリーズ開始前までに繰り返し読まれることをお勧めします。新シリーズの内容は、「セドナメソッド」という方法です。今週末より配信予定です。
🔴すべての基礎である「クレア式」ではあるが…
私は長年、自分がパニック障害、嘔吐恐怖症(会食恐怖)であったときの事、そして現在では完全克服していて、その体験を生かしたカウンセリング活動をしてきました。
治すために、病院、薬に一切頼らず、その当時にできる限りの方法を自分なりに探ってきた結果として、あなたもご存知のように、「不安のメカニズム クレアウィークス著」という本に出会い、それが転機となり、著者の方法にしぼり、回復を目指し今に至りました。
完全克服して、もう20年ほどが経過しました。再発はありません。当時辛かった乗り物や、外食なども、今ではとても楽しい時間となっています。
私は、あなたと同じように紆余曲折、浮き沈みを体験してきました。それでも、やっと出会った一冊の本によって導かれました。これはとても幸運だったと思います。
そうした事もあって、自分の体験を生かし、そしてこの一冊の本とその方法を知らせ、広げていきたい思いから15年ほど前からカウンセリングという形で仕事を始めてきました。
しかし、ここ数年少々分かってきたことがあって、私のやってきた「クレア式」ともいえるこの方法は、まさに目から鱗。しかし治すための思想、手段が180度異なるために、うまくハマれば回復への実感が急速に進むのですが、病気が慢性化していると、クレア式の理解と受け入れが、人によって時間がかかることを実感しました。
私の体験を武器に、この苦しみの体験をした事のない治療者より、回復させていく自信のあった私でしたが、少々軌道修正をしなくてはならないのでは?という実感を感じてきてはいました。
もちろん「クレア式」はパニック障害などの心の病の回復の基礎を成すものであることは間違いなく、算数で言えば九九のようなもの。それを知らずして前には進めないものであることは、今でも揺るぎないものであり、臨床を重ねていく過程で、なおさら確信は深まるばかりです。
しかし大切なのは、自分の信念を貫くことよりも、苦しんでいる人の少しでも早い回復です。
となれば、「クレア式」の理解を妨げずに、「クレア式」の進捗を助ける手段があるのであれば、それを取り入れる必要があるのではと思いました。
🔴セドナメソッドは「感情」に焦点を当てる
その手段としての候補は数種類上がっていました。その一つとして、今回取り上げるのが
「セドナメソッド」という方法です。簡単な質問を自分に問いかけながら進めていく類まれな、シンプルな方法です。
この方法に熟達していくと、あなたの時々に湧いてくる、行動を制限してしまう「今はいらない感情」を手放し、自分の目的や望みを達成する行動が取れるようになります。
「クレア式」では行動あっての方法なので、行動すらできない、制限されてしまう人にとっては、なかなか頭でわかっていても動けずにいる人が少なくありません。
そこには危機意識から生まれた信念と、その反応としての感情へのしがみつきがあります。これがなかなか手放せないのです。
パニック障害や、心を病んで社会的接点が無くなっている人に共通しているのが、「今はいらない感情へのしがみつき」があります。
その裏には頑固なまでの信念があり、これを緩めることは本人ですら難しいのです。なぜならば、その信念は過去の体験から得たものであり、その場を安全に取り持つには必要なものだったからです。また、その信念すら何なのか自覚している人はそう多くはないからです。
セドナメソッドは、信念ではなく、感情にアプローチをかけていきます。感情の制限を解き、あるべき本来の行動、目的を達成していく過程で、自分を制限してきた信念に気付き、行動の変化によって、自信が身に付き、自己実現のための信念へと書き変わっていきます。
あなたの行動を制限しているのは、紛れもなく信念です。そしてその信念が、あなたの身の回りに起こる日常の出来事に対しての感情という反応を作り出します。
その時々に湧いてくる感情を手放していくことで制限が取れ、行動が変わってくると、信念は変えようとしなくても、自然と変わってきます。
もうポジティブシンキングなんて、一時的な、まやかしに振り回されることはないのです。
「クレア式」では行動重視で、行動を変えていくことで感情が変化し、さらに行動が広がり自信が芽生えていくなかで信念を書き換えていきます。
しかしながら感情的なものがブロックしていて、なかなか行動に転じられない人もいるため、感情のブロックを外すのに時間がかかる人が少なくありません。
セドナメソッドは「クレア式」と比較して、「行動」の一歩手前の「感情」に焦点を当てます。感情にアプローチし、行動を変え、信念を変えていきます。信念が変われば、感情も変わらざるを得ないのです。こうして感情が変われば、行動も変化していくという好循環が生みだしていきます。
「セドナメソッド」と、「クレア式」は目的とするところは一緒です。スタートラインが異なるだけです。そしてそれら二つにぶつかり合うところはなく、むしろ相乗効果によって効果が高まっていきます。
🔴パニック障害との関連性
パニック障害を含む、さまざまな悩みに「感情」はついて回ります。私達は感情によって行動をコントロールされます。正しさで動くのではなく、そこに動き出す源泉としての感情が必要なのです。
良い方向に向く心地よい感情と、後ろ向きになっていきやすい感情があります。大人になるにつれ理性の助けを借りながら、感情を抑えて理性で振る舞うようになるのが私達でもあります。
しかし感情には本音が含まれています。あまりに理性を優先させてしまうと、本音を無視した行動が自らを苦しめることにもなるのです。
自分の本当の気持ちを知り、認めることは大事なことです。反射的に人の意見や、世間で言うところの「普通」に応じるクセが身に付いてしまうと、心は悲鳴をあげてきます。
また一方で、今となっては必要のない信念に振り回されて、身動きできずに苦しんでいる人がいます。これはいらぬ感情が邪魔をしている場合です。
過去の体験で、急なひどい目にあった時、脳は一時的な混乱状態に陥り、感情の処理に理性が追いつかず、ひどい気持ちの動揺と場面が一緒に記憶されてしまうことがあります。
それは今後「体験の回避」のための記憶として脳に格納されます。今後ちょっとした似たような体験に直面すると、同じような気持ちの動揺を引き起こすようになります。これが体験の回避を誘発します。
理性を挟まずに反射的に体験を回避するようにする事は、危機回避としては自然な事です。理性では処理しきれないほどの緊急事態であると処理されているために体験の回避を施し、私達を救ってくれるからです。
しかしあまりに突然のことや、体験したこともない事態に直面したとき、脳は混乱し、逃げるか戦うかの判断を感情に任せてしまうがゆえに、それが一旦学習されてしまうと、理性を絡ませればわかることも感情に偏った判断を任せてしまうことがあります。
それがやがて「先入観、思い込み」となってしまいます。そうした見方が歪んだ信念となり、やがて自らの行動を縛ることになるのです。
そうなると回避する必要のないものまで、危機意識が過剰に高まってしまい、再体験してみて問題ないということが、再確認されるまでは回避癖が身に付いてしまうことになります。
このように感情には正直に従う必要がある一方で、感情は時に間違った行動を誘発させ、それが繰り返されていくと、やがて歪んだ見方、思い込みを作り出し、人の行動を縛ってしまうことがあるのです。
セドナメソッドでは、自分の直面している事態に対して、正直に感情を見つめ、感情に縛られ身動きできなくなっている自分自身を正しい在り方へ導いていきます。
今となっては必要のない、抱え込んだ感情を手放し、理性と感情のバランスを取り戻し、適切な行動ができるように自己改革に取り組んでいきます。
🔴注意点は?
行うにあたって注意しておくべき点を、シンプルに述べます。
効果を100パーセント期待しないこと。
その場の効果をすぐに出そうと必死にならないで下さい。必死さは「戦う」ことを意味し、かえって感情のたかぶりを誘発してしまいます。気楽にテンポ良く進めていくのがコツです。
実践していくにつれて、感情的な動揺が減少していきますが、しばらくは波があります。心がその感情を手放すことに抵抗しているからです。もちろん、その抵抗感も手放していく手法もセドナメソッドにはあります。
🔴効果の指標
・感情にとらわれる時間が減ります。
今までだったら、大きく動揺していた状況にあっても、受けるダメージが減っていることを実感するでしょう。
・決断力、そして行動力が変わっていきます。
目立って大きな変化を引き出そうとせず、小さな行動の変化を見つけてみて下さい。行動を阻んでいる感情を手放していくにつれ、小さな変化が増えているのがわかるでしょう。小さな変化の蓄積が、やがて大きな変化へと、あなたを導いていきます。
このシンプルな2点の効果はとても強力です。パニック障害や、各種の恐怖症などは感情へのとらわれと、それに伴う回避行動によって、慢性化していくので、セドナメソッドで、その時に必要のない感情に気付きを入れ、手放してしまいましょう。
決断力、行動力ともに、以前より早くなっている自分に気付く頃には、あなたの行動範囲が広がっていることを自覚することになるでしょう。
🔴講義の展開の仕方
基本はYouTubeによる配信です。補助的にブログでも展開していきます。また動画下の概要欄でも簡易的な説明はしていきますのでご確認下さい。
YouTubeでは、「音声配信」が中心となります。他の講義動画のテンポとは毛色が違いますのでご了解願います。私の顔や身振りは必要なく、むしろラジオ感覚で手軽に聴いていただいた方が、セドナメソッドは行いやすいためです。
時間にして五分程度の配信となりますので、気楽にそして数多く聴けるようにしていきます。音だけでも流して、ながら聞きであっても聴かないよりはマシです。力を抜いて実践していただいた方がセドナメソッドは効果が高いです。
セドナメソッドの配信理由等は、上記した通りの必要性のもと行います。細かい説明はかえって理解の妨げになりますので、これ以上の細かい説明はしません。初めから実践編でいきます。
なおセドナメソッドは本でも売っていますので、
理解を深めたい方、納得しながら進めたい方は、特に本の購入をお勧めします。配信内容は本の内容に準拠しています。(本のリンク先は、当ホームページの「おすすめの本」のページをご覧ください)
以上、長い説明でしたが、2、3度繰り返して読んでおかれると、誤解なくセドナメソッドを活用していくことができるかと思います。
YouTubeではテンポ良く、実践編として進めていきます。頭デッカチになって実践に向かわなくては「クレア式」と同様、役には立ちません。
理解不能な部分は、ご質問、またカウンセリングで対応可能ですのでお申し付け下さい。
今までの「クレア式」とプラスして、このセドナメソッドを実践していただくと、回復への進捗がよりスムーズに進みます。
あとは、あなたがやるかやらないか。
素直に、「とりあえず、あえて、だからこそ」やってみる、やる人が治る人です。
継続は力なり。
今後とも、よろしくお願いします。
とがしやすゆき