Q140:不安や発作症状を無くす目的を持たずに治すとは

リボンさんからの質問

『ちゃんと不安を直視し、不安の奥に見える恐怖を明らかにしなくてはならないのです。 』とありますが、不安を直視しようとすると、不安を意識しすぎてしまって出かける時からずっと不安になった時の事を考えてしまっているんですが…

なんとなくこれは、とがしさんがおっしゃっている内容とは違うような、でも何が違うかわからないんですが…

まとまりのない質問で申し訳ありませんが、ヒントを教えて頂きたいです。


回答


「直視」という言葉を使っていますから、完全、完璧、目をそらすことなく、しっかりと!といったイメージを与えてしまっているかもしれませんね。

目をそらさず、凝視みたいな意識は疲れます。そして無理です。ここでいうところの「直視」は直面するということ。

つまり、不安や症状をどうにかしようとせず、またジャッジして、回避行動をすることなく、ただ起きていることに、きちんと気付いておくということです。

そんな心持ちでいると、奥底に見える不安の元である怖れが見えてきます。

ブログで実況中継のお話をしてきましたが、この実況中継が、まさにこの段階での場面で使うものとなります。

この直視する次の段階として、起きていることを、そのままにしながら、事を成していくという「受け入れ」という状態にもっていくために、まずは、起きてしまったことに、目をそらさず、実況中継をして「それがある、起きている」という直視(直面)する段階が必要なのです。

不安を直視しすぎて、思考に巻き込まれた時、そのままにしておいてはいけません。ここで実況中継を入れていきましょう。

「あー、●●を怖がっているね!そんな自分に今気が付いているよ」

事実をありのままに言葉にする実況中継は、このように自分の状態を直視していないと言葉にはできないものです。 

「自分の身にこんな事は起きてはならない」
「まずい!やばい!」

とジャッジしているので不安や怖れがますます高まってくるのです。そこをただあるがまま起きたこととして認めていくためのルーティンとして実況中継があります。

直視すれば、思考に巻き込まれていくのは必然です。だからこそ、そこに怖れがみえてくるわけです。しかしその怖れすら、自分自身がレッテルを貼って育てて大きくしてしまったものです。

そしてそれは事実ではなく、思考の世界で苦しんでいるということ。取り除くのではなく、ただその状態にある自分自身に実況中継を通して気付きを入れていく作業が、「直視」ということです。

怖さは伴います。
怖さを無くす技法ではありません。
怖さを乗り越えていく術ですので誤解されないようお願いしますね。

何度も読み込んでください。
試行錯誤する時間は決して無駄ではありません。

やりながら、読む。
それを繰り返していくと、「あっ!このことかな!?」って感じでわかってきます。

頭での理解だけでは容易にわかるものではありません。行動を伴わせ、頭と身体で理解を深めていってくださいね。

どうか辛抱強く。