Q142:浮かんで通るとは?

takayoさんからの質問

「やっぱりそうなのかぁ…」と、とがしさんの教えを思い出しながら日々丁寧に生きています。
少し実際の行動の質問になるのですが、

「直面する」
「受け容れる」
「浮かんで通る」
「時間の経過に任せる」

をしていくときの、”浮かんで通る”というのがどんな感じなのかなと疑問に思います。

私の場合だと、頭が膨張しておかしくなりそう…

と考えていることに気づき、体に出ている症状を受け入れる。

そのあとの浮かんで通るは、「なんとなく実際に自分の体から自分が浮かんでその様子を俯瞰して観察しているような時を過ごすこと?」なのかと思っているのですが、これって「直面できているのかな?回避行動になってないかな?」と思っていて悩んでいます。

とがしさんの解釈を、教えていただけたらと思います。何度も失礼します。良ければよろしくおねがいします。


回答


「浮かんで通る」については、よく質問を受けます。

私も当時、これがよくわかりませんでした。
他の原則と比べて、日本語として表現しない言葉ですから理解に困るのも無理ありません。

四つの原則は時系列で繋がっています。
バラバラに機能することはなく、「直面する」→「受け入れる」→「浮かんで通る」→「時間の経過に任せる」といったように順番に繋がりを持ちます。そして前後に関係をもちます。

つまり「浮かんで通る」には、受け入れがあってこそであり、時間が経過するのに任せられていることで浮かんで通る」が成立します。他の原則も同じです。まずここを確認しましょう。

あなたの解釈である「自分が浮かんで俯瞰して観察しているような時を過ごす」は良い解釈ですね。そして直面することからの回避にはなっていません。気をそらす事とは違うのです。 

まず不安や恐怖、そして症状を目をそらす事なく、ちゃんとある事を自覚した上で…

戦わず、そのままにしておく。
燃え盛る炎を(症状)消そうとせず、そのままにしておく。コントロールしようとせず「やり過ごす」というスタンスでいることです。

「そのありさまを俯瞰して眺めておくにとどめる」

もちろん、そうは言ってもコントロールしようとしますし、それをも気付き、コントロールしようとする自分をジャッジせず、やんわりと元あるべき姿へと自分を戻していくのです。

四つの原則を知り、やっていてもうまくいかない事に悩み、とらわれる人が多いようですが、原則に反していることを、今やってしまっていることに「気付くことが大事」であり、そして、そもそものあるべき姿に戻すことを良しとする。これが四つの原則を自分のものにするコツです。

ある意味においては、修行のような側面がある方法ではありますが、これがモノにできパニック障害が克服できた暁には、日常の生活においても大変役立つスキルへと変わっています。

コツコツと継続していくことが大切です。
これからも淡々と事を成して下さいね。