さおりさんからの質問
もう一度質問をさせて頂きたくコメント致しました。
先日のアドバイスから、自分でも気付かなかった見捨てられる不安、高すぎる理想の自己像、「はっ」とする事が沢山ありました。
ただ、恥ずかしい、迷惑かも、いつでもしっかりした人間でいたい…の感覚も確かにあるのですが、嘔吐・気持ちが悪い感覚自体も本当に本当に恐怖を感じています。
幼い頃からほぼ吐く体験が無く、今でも少し疲れたり感情の起伏で動悸がすると、気持ち悪い…?吐く…?吐く時ってどんな風にわかるの?これは気持ち悪いだけ?
と、注射で泣く子供の様に大人になった今でも泣いてしまいます。心底怖いのです。
気持ち悪くなったらトイレに行けば良いのでしょうが、気持ち悪いのを認めたくなく、誰もいない所で発作になった気持ちを鎮めるため太ももに爪を立てて痛みでごまかしたり大げさに呼吸したりしています。
こんな事誰にも聞けないので書いてしまいますが
吐く時の気持ち悪さって分かる物なのでしょうか?
みんななぜ気持ち悪い時に普通の顔していられるんでしょう?
これは吐かない気持ち悪さだな~と(経験から?)分かるんでしょうか?
気持ち悪い感覚の時にせめて普通の人と同じ位の気持ちの感度で振る舞えるようになりたいのです。
回答
まず、吐くとはどんな状態に、身体がなるのか、こればかりは体験をしたことがないと、わからない未知のものとなるでしょう。
人は未知を怖れますから、ほとんど嘔吐の経験が無いに等しいあなたにとって、吐くという体験は怖ろしく思えてしまうのは、ある意味当然かと思います。
少し大雑把な説明になりますが、嘔吐反応というのは、そもそも身体の防御システムです。これがないと人は中毒を起こし死んでしまいます。本来、人の体の構造上、上から下へという消化システムのため、逆さになっても逆流しない構造になっています。
しかしながら、緊急なときは、その構造に逆らって、排出するよう脳は、自律神経を通して身体に排出命令を下します。
その際の反応は、冷や汗や、えづき、腹痛、胃の膨満感、めまい、生あくび、喉元の不快感などの反応を引き起こします。
基本的な構造に逆らっての反応ですから、身体も力技です。思いっきり腹圧をかけ、胃と食道にかかる部分にある蓋を開けようとします。本来の身体の基本構造とせめぎ合いを重ねて、ついには嘔吐に至ります。(かなりデフォルメした説明ではありますが)
こうした身体にとっても、自分自身にとっても、そうあることもない緊急事態ですから、慌てますし、どうにかしたい気持ちだって湧いてきます。
誰も平然と吐けるなんて人は、ほとんどいないでしょう。気持ち悪くなれば、「やばいなぁ、気持ち悪いなぁ、吐くかなぁ、やだなぁ…」そんな事を、ぼやきながら、横になるか、トイレにでも行くか…
それしかないんです。
嫌だけど、しょうがない。
吐くかもしれないし、吐かないかもしれない。
わからないんです。ただ本当に直前にでもなれば、トイレに駆け込まざるを得ない、居ても立っても居られない感覚になるので通常、判断より先に身体は動きます。
普通の人の感覚は、吐くことを怖れないのではなく、イヤだけどしょうがないと思いつつ、ただ吐くだけです。これは今の私も同じです。
吐きたくないと、あなた自身が慌ててどうにか気を紛らわせようと、本当にあなたにとってリスクが高いとなれば、身体はあなたの気持ちに逆らってでも、嘔吐を優先にします。ジタバタしようが優先順位は、あなたを慰めるより、命の確保です。
まことに、精妙にできています。
これほどまでに、よくできたものはないのです。
まさに神様のお造りになったものと言わざるを得ないほど。
パニック障害の人は(嘔吐恐怖や不安症)、とにかく自然な出来事に逆らおうとしますが、そもそも不可能なんです。不可能を可能にしようと必死になるわけですが、そうなれば結果的に苦しみ悶えるだけなんです。
自己万能感は手放しましょう。
万能ではないところがあるからこそ、人は柔軟に環境適応、状況適応して生き延びていけるのです。