モコさんからの質問
はじめまして。私はパニック障害と嘔吐恐怖症になって18年になります。生きづらさを感じながらもなんとか生きてきました。
結婚し3年になります。子どもが大好きで望んでいる反面、とても不安なことがあります。それはつわりのこと。
もし妊娠して、吐くつわりがあったらどうしようと不安で怖くて仕方ありません。できてしまったら、産むしかないわけで、嘔吐にも耐えないといけません。
その時の私は大丈夫なのか?実はもう18年も吐いていません。なんとか吐かずに生きてきた。もう吐き方もわからないし、吐くならすごいパニックになるのではないかととても恐怖です。
こんな私のところに赤ちゃんは来たくないかもしれませんね…。どうやら不妊のようですし。
今現時点での対策としては、実況中継をしてるつもりです。今気持ち悪いんだよね、そうだよね、自分を責めたらダメ、吐いてもいいじゃん!とドキドキしながらなんとか実況中継しています。
もしつわりで吐くことがあるのなら、実況中継がよいでしょうか?
長々と申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
回答
実況中継しているポイントを少し変えてみましょう。なんとか、ここまで行き着いた=生きついた。でも、根っこにある生き辛さの根底にある恐怖から逃れ切れていない、この部分を実況してみましょう。もっと自分に優しくできるかもしれません。
まず基本ラインの確認を今一度してみましょうか。ここは見えていますよね?↓
「もし吐くとなったら、すごいパニックになるのではないか」
まず「〜なのではないか」という考えを毎回のように、自分に言い聞かせているということをあらためて理解してください。
そして、その根拠が
18年も吐いたことがないから…
吐き方がわからないから…
しかしそれは同時に、単なる「思考」であることを確認してください。
そして…
「だって私、18年も吐いてないのよ!?
吐き方も忘れちゃってるし、もしそんな私が吐きもしたら、すごいパニックになっちゃうかもしれないじゃない!?」
こうした自己問答を毎日のように繰り返してはいませんか?
それは単なる「思考」です。しかしながら、これら単なる思考と、つわりという事実は別問題であることを確認してください。
つわりが起きれば、それは母体の自然現象であり、必要不可欠なものであり、そうならざるをえないカラダとしての反応です。
18年吐いたことがない事、吐き方を忘れてしまった事とは関係がありません。
そうは言われても…
こんな声が聞こえてきそうですね。
そうです。ここまでは私のブログを読んでいるあなたはわかっていることです。でも、ちゃんと確認をしてください。一つの「考え、思考」に縛られているということをです。
ただ、一方で、その反復される単なる思考ではありますが、そこにはあなたにとって重要な役割がありますよ、きっと。
では少し視点を変えてみましょうか。そして、この部分についても気付きをいれていくことをしてみてください。
それは…
あなたがつわりのことを考えたときに
「いやだ!そんなの!」
「絶対ありえない!」
「苦しいのはいや!」
「絶対いや!」
あなたが、こうした事を思うとしたら、つわりの先に見える「安全を保証されていない怖れ」を抱えているからかもしれないという視点です。
人は「安全と絆」が保たれていないと、正常に能力を発揮できません。わかっているけどできないのは、こうした安全と絆が保たれていないからでもあります。
で…
あなたのつわりの先に見える恐怖はなんですか?
つわりの時に訪れる、気持ち悪さとは「別の恐怖」のことです。
つわり以上に怖れていることはありませんか?「もうあの気持ちを味わいたくなんかない!」と思っていることです。
なかなかこの辺は「安全と絆」を脅かすものですから、無意識に隠そうとしているところでもありますから、自分で答えを出さないところがあります。なので、「よくわからない」となる人が多い。
ここがわかってくると、グンと回復が進みます。
大切な「安全と絆」が自分の中にちゃんとあることを実感できるからです。
どうやって無意識で隠してきたことを受け取るのか。
この、考えてもブロックしている別の恐怖を明らかにするには頭を使うのではなく、身体の感覚を感じ取って行く方法を取ります、これが一番安全です。
そうした恐怖感は、身体のどこで感じ取っているのでしょうか?
恐怖や不安は必ず、身体のどこかで感じています。それがよくわからない人が多いようですが、それだけ自分のことをないがしろにしてきたということです。
自分の身体の声に鈍い人がとても多いです。
まずは身体の反応に意識を向けてみましょう。
身体の訴える部分に手を当て、小さな子供をあやすかのように、ポンポンと叩いてみたり、なでてみましょう。同時に実況中継をしてみてください。
身体の反応をちゃんと受け止めてみましょう。丁寧に味わってみるのです。そのうちにあなたが抱えている、実はつわりではない、別の恐怖を知るでしょう。
でも、その恐怖は実は怖いものではないことも、その時に悟るでしょう。視点を変えて実況中継してみましょう。焦らずコツコツと、進んでいってくださいね。