Q179:味わい尽くすのはコーヒーだけではない

bonjourさんからの質問

こんにちは。
質問させていただきますので、宜しくお願いいたします。

①質問の内容

私はパニック障害が悪化してから、カフェインを摂るのが怖くなりました。そこで、ほぼ毎日コーヒーを飲む練習をしているのですが、なかなか克服できません。

不安な思考や不安感が出た時には、実況中継をし、今に戻るということを淡々とやって、やり過ごしています。

練習を始めてもう半年以上くらいになるのですが、最初の頃とあまり変わらないように感じます。毎日同じ不安と対峙し、同じことを繰り返しています。

この先不安なく飲める日は来るのでしょうか?


②それに対して、自分が考えている、または感じていること、思っていること。

毎回、同じ内容の不安な思考、不安感が出ます。なんどもそれを実況中継し、今に戻りますが、もうその思考が不安なことでは無いと本当の意味で心身が理解してほしいところです。いい加減、何度も同じ思考に悩まされて辛いです。。。


③自分で行っている具体的な対応策。

不安が出た時、「今、自分は逃げられないという感覚に囚われているだけ」など実況中継し、次に「今」はどうなのかに目を向けるようにしています。そして現実には何も起こっていないことを認識するようにしています。


回答


ご質問ありがとうございます。

書かれている実況中継のやり方に大きな問題はないようです。きちんと毎回、丁寧に気付きを入れているのですね。

ただ一つチェックしていただきたいのは、必ず文末に「気付いているよ」といった言葉を入れるようにしてください。

「〜ということに囚われているだけ」で終わらせてしまうと、これは単なる主観であり、言い聞かせに過ぎません。

あくまで事実と解釈に距離を置くという、客館的スタンスが必要なので、「という状態にあるよね、そんな自分に気付いているよ」という言葉が必要なのです。

さて、そうした事をきちんとやっていながらも、毎回のように同じ思考、不安に振り回されてしまうようであれば、ここでのポイントは、毎回湧いてくる「同じ思考」ということ。

どのような思考が同じように湧いてくるのか。

あなたの場合、「逃げられない感覚」があるようですね。

逃げられないことで、どうなることを怖れているのでしょうか。

そして、その感覚を身体のどこで感じていますか?

この二点を意識した「気付き」を実況中継しましょう。

①その身体の感覚をしっかり丁寧に味わう(触れることができる箇所であれば、触れながら)

②逃げられないことで、どうなってしまうかの内容を言葉にして意識してみる。

身体の感覚は、なるべく意識したくない部分でもあります。しかし、その身体の感覚をしっかり味わいながら、実況中継することがとても大切なのです。

この二点を丁寧に味わいながら、「今ここ」に自分を戻していってみてください。
 
そして最後にもう一点。

コーヒーを飲む練習は、不安なくして飲む事を目標にしているわけですが、毎回の練習においては、不安を感じながら、あくまで「不安はあるということを前提」にしつつ、コーヒーを味わうことを繰り返すことが大切になります。

毎回のように、「今、不安かな?」と監視している自分に気付くと共に、「そもそも、何してるのかな? コーヒーを味わえているかな?」と目の前の、ただそこにある「コーヒーというだけのもの」を「みる」ということを意識するようにしてくださいね。

先が見えないと、人はなかなか続かず、不安にもなるでしょう。今だに、表に現れない効果ではありますが、水面下では着々と根を下ろし成長しているはずです。

この方法、そして自分を信じて行っていってくださいね。

「あっ!なるほど!」
と思える日が必ずやってきます。