Q206:突如として起きるパニック発作への対処法

モンスターズインクさんからの質問

私は外泊恐怖が強く、今年に入って外泊の行動練習を始めようと決め、今日やっと友人の家に泊まりにきました。

予期不安はあまりなかったのですが、万が一と備えお守りもの(薬、肩こりジェルアロマオイルなど)を持ち、いざ今日友達の家に行きました。

私は人に迷惑をかけるのが嫌という気持ちが強いので、その辺も考えすぎないように、具合が悪くなったら気を使わず言えばいい、帰ればいい。くらいの気持ちでいきました。

家について友達と晩酌をしながら楽しんでいたら、あ、なんだ全然平気じゃん と、お酒の力もあり気持ちは落ち着いていました。 

そして自然と眠くなりリラックスしながら寝ました。しかしさきほどまだ薄暗い頃に急に目が覚めてしまい、心の中で「わ、やばい目が覚めてしまった 寝れないどうしよう 」「ん、なんか息が苦しくなってきた 」

などとそのときは必死でわけわからず、落ち着いて実況できず、言葉がぽんぽんと浮かんできて、ついに息苦しさの発作がでてしまいました。 

いつも自分の家だと、また普段の息苦しさで次第におさまるだろう くらいに構えているのですが、他人の家だと冷静に発作を受け止めることができず、寝ていた布団からたちあがりなんとか発作を消そうと、そして友人を起こさないようにと違う部屋にいったりトイレにいったりうろうろしてました。

発作の最中何度か友達を起こして苦しいと伝えて支えてもらおうかな、などとも思ったのですが、まぁそんなことしても自分の発作がおさまるわけでもないし友達も明日早いしななどと考えながら10分くらいは発作を観察していました。 

しかしこのまま苦しいのが続くとインパクトが強く残り、次また泊まりくるのが本当に怖くなってしまう!と思い、薬を飲んで発作をおさえようとしてしまいました。

これでよかったのでしょうか?
今後の反省にどう対処すればよかったのか、次回はどう行動すればよいのかアドバイスいただきたいです。


回答


今回は今までの自分の家という、比較的安全安心な環境下と異なり、他人の家という、ある意味絶対に起きて欲しくないと常々考えてきたであろう場で発作へと至ってしまいました。


大きな理由を分析する必要はありません。条件が違うことによる発作症状であり、まだまだ不慣れな場での出来事で実況中継がうまくいかなかっただけのことです。

発作の最中、紛らわすための逃避行動をしてしまったようですが、最悪、友達を起こす事まではせずに、むしろそうした事をしたところでおさまるわけではないと、自分の中でツッコミを入れられたのは、今回の大きな成果です。

薬を含む、逃避行動は避けるのが基本原則ではありますが、そんなに簡単にできるものではありません。時には耐えきれずに使ってしまうこともあります。ただ、今回のように慌てながらも、自分を観察することを繰り返すことは、大事なことであり、その繰り返しが、少しずつ症状と自分自身との適度な距離感が取れるようになっていくのです。

大切なのは、逃避行動は反射的に使わない事。必ず使うまでの時間を、自分の気づきの時間として利用しましょう。

自分の「どんな考え」が、「思い込み」が、「感情」が、「クセや習慣」が逃避行動へと向かわせたのかについて、よく省みていただき、次回も同じような場面になった時に、自分がそれらに浸りこんでいる状態であることに気付きを入れるようにしておきましょう。

また実況中継を発作症状を回避するものとして使わないことを心がけて下さい。どうにかしようと躍起になって実況中継する人が多くいますが、それは本来の目的とは異なります。実況中継の目的を再確認してくださいね。