2021/06/05 YouTube配信原稿
みなさん、こんにちは。とがしやすゆきです。
第28回目の講義動画となります。今回は「好き・嫌いを手放す」ということにテーマを置いてお話をします。
人間関係において、自分と相性の悪い人はいるものです。
「この人、ちょっと苦手、もしくはハッキリと嫌いと感じる人が近くにいることは、なかなかのストレスだったりもします。
それが職場や学校など、みじかな仲間だったりすると、ハッキリと気持ちを伝える事はままならず、一人ストレスを抱え込んでしまうものです。
もちろん、お互いがその事を自覚しているのであれば、お互いの対話と歩み寄りでどうにかできるかもしれません。しかしそれはお互いにとってチャレンジな出来事となるでしょう。
人間関係の基本は「相手はコントロールできない」という事。
そして人間関係に勝ち負けは存在せず、自分が変わらなくてはならない事を自分の負けとして捉えてしまうと、なおストレスは倍増するばかりでしょう。
結果多くの人間関係においては、片方、もしくは両者が抱え込むに至り、どちらかが退くのを待つことになります。それはいつ訪れるかわからず、その間、慢性的なストレスを抱えながらの関係を仕方なく保つに至ります。
この当たらず障らずな関係性が大人としての対応と称する向きもありますが、不快な気持ちを抱えっぱなしである事は心の健康上よろしくはありません。
さて、この挑発的な苛立ちにセドナメソッドでは、どのように取り組んでいくのでしょうか。
まず相手の嫌いなところを書きだしてみましょう。
自分の気持ちを逆撫でする言動や行動があるでしょう。それを書き出してみましょう。
そしてその一つ一つを見返したときに湧いてくる感情(気分)を、セドナメソッドのルーティンに沿って手放してみましょう。
例えば、それが「イライラ」ならば、そのイライラを感じとってみましょう。そのイライラは体のどこで感じているでしょうか。何と無くでいいです。
実は感情(気分)というのは、頭の中だけで反応しているわけではなく、体にも何らかの感覚みたいなものを感じているものです。
今までの講義動画での話では、体での感覚にまでは観察を広げませんでしたが、今回は少し応用です。体で感じているイライラにも観察の目を広げると、より感情(気分)をしっかり見つめることになり、セドナメソッドでの手放しがうまく進みやすいです。
さて感じているそのイライラは体のどこら辺で感じ取っているのかちょっと観察してみてください。
さてそうして頭と体で感じているイライラを自覚できたら、次に進みます。
「そのイライラを認める事ができますか?」
「そのイライラを手放せますか?」
「そのイライラを手放したいですか?」
「いつ、手放しますか?」
さて、そのイライラをこの基本ルーティンで何度か繰り返したあと、もう一度、書かれていることを読み返してみてください。感情(気分)の変化はありますか?
ハッキリ、期待通りの結果に至っていないこともあります。それはそれで正解ですから、イライラが変わらずそこにあったとしても、今手放して得られるものは、最低限得ていると、とりあえずは受け入れてください。
今後、事あるごとにこのルーティンを繰り返していくうちに、今までにはなかった感情(気分)の穏やかさを感じる事ができるようになります。
良い結果を得ようと必死にならない事がコツです。感情(気分)をしっかりと感じた上で、ルーティンは結果を焦らず、求めずに淡々と繰り返していってください。
さて感情(気分)を手放したのち、もう一つ手放してもらいたいものがあります。それは「欲求」です。
あらゆる感情(気分)の裏には、「欲求」があることを知っておいてください。
ここで言うところの、そのイライラの感情は、どの欲求が満たされずに湧いてきた感情(気分)だったのだろうかと考えを広げてみて下さい。
欲求には代表的なもので三つあります。「安全・安心欲求」・「コントロール欲求」・「承認欲求」この三つです。この欲求の詳しいお話は過去の講義動画 (第15回から20回まで)を復習してください。
あなたが書いてきた、イライラを感じさせるその内容はあなたのどんな欲求を刺激されているのでしょうか。
例えば、「なんか仕事をちゃっかり手抜きするようなところ」が自分のイライラを感じさせるポイントだとしたら、その「手抜き、チャッカリ感」は、どの欲求を刺激しているのでしょうか。考えてみて下さい。
例えば、「自分は手抜きしないで、ちゃんとやっているのに、あいつは…」といった風に、自分の頑張りも知らないで…まったく…といった風に自分の「承認欲求」が満たされないことによるイライラだったりするのではないでしょうか。
また、そんな手抜きの仕事が気になり、自分が落ち着かない状態となり、自分の仕事にも影響が出ているということでイライラを感じるのであれば、「安全・安心」が脅かされているのかもしれませんし、それに巻き込まれて自分のやる事が、シナリオ通り進まずにコントロール不能になるのではないかという不安もあるのかもしれません。
「安全・安心欲求」「コントロール欲求」は物事を円滑にするには必要な欲求ですから、この欲求が強ければ強いほど、規則性のあるものを求めやすいところがあります。
それはルールを守ることには誠実で大変良いのですが、時に、自分の物事に対する見方に融通性が欠け、環境の変化についていくのが苦手な傾向にあります。
ルールにそぐわない規則性のないものにイライラを感じるようになるのです。職場や人間関係では必ずしも規則性に沿ったものではない事は言うまでもありませんよね。
このような見方をさもありとするならば、こうした欲求の高さを手放しておくことは、そうしたストレスにさらされた時に、欲求の欠乏感を感じずに、淡々と周囲に合わせる事が以前より容易になってきます。
さて、今までお話したのは、イライラを例にしてお話してきたわけですが、これは自分が相手の嫌いなところをみての結果です。
しかし、その相手は自分にとって、嫌いなところばかりなのでしょうか。見習いたい、そういう部分も欲しいという願望がどこかないでしょうか。自分に置き換えてよく考えてみて下さい。
先ほどの例で言うところの「ちゃんと手抜きをしないでやっている自分」は、どこか相手の真逆なところに、憧れというのでしょうか、「自分も手抜きできたらどんなにラクだろうか」とは思ってはいないでしょうか。
自分がルールに厳格すぎるところに、半ばウンザリしているところはないでしょうか。もっとバランスが取れたらと思ってはいないでしょうか。
相手の嫌いなところは、自分にはないところでもあり、自分に欲しいところでもあります。
そういった意味で嫌いなところは、逆に愛すべきところにもなる可能性を秘めているのです。ここはじっくり探究してみてください。
嫌いな相手に中にも、好きな部分を見つけてみるということは、そういう事です。あなたにとって無い部分を持っています。
そんな好きな部分を見つけた時、それはあなたのどの欲求を満たしますか?
その欲求が見つかったら、その欲求を手放してしまいましょう。
好きと嫌いの両面から、欲求を手放しておくと、好き嫌いというジャッジをしない、フラットな解釈で起こる出来事を受け入れやすくなってきます。
さて今回のお話は少々混み入ったお話となりました。今回もこのお話の原稿はホームページの方へまるまる載せてありますので、文章も確認しつつ、何度か聞いていただき、あなたの好き嫌いを手放してしまいましょう。
人間関係に好き嫌いは付き物です。感情(気分)をバロメーターに、湧いてくる感情(気分)、欲求を好き嫌い両面から手放していきましょう。
セドナメソッド全般に言える事ですが、一度で抱えてきた感情(気分)や欲求を全て綺麗に手放す事はできません。事あるごとに使って頂いていくうちに、感情(気分)が大きくぶらされる事が減っていることに気が付くでしょう。
慣れればこれほどシンプルで習慣化しやすく強力な方法はありません。焦らずにこの方法に全幅の信頼を寄せて取り組んでみて下さいね。
今回お話はここまでにしますね。また次回も聴いてください。ありがとうございます。とがしやすゆきでした。